水野祐(@TasukuMizuno)のブログ

弁護士ですが、「リーガル・アーキテクト」という意味での法律家というつもりで生きています。Twitter: @TasukuMizuno / Lawyer / Arts and Law / Creative Commons Japan / FabCommons (FabLab Japan) / All tweets=my own views≠represent opinion of my affiliations

新しい法律事務所を立ち上げました

 

2017年12月1日。

無事にこの日を迎えることができました。

 

2013年1月にシティライツ法律事務所を開設し、もうすぐ5年になります。

その間、パートナーの平林が参画し、アソシエイトとして倉﨑が入所し、USのアライアンス・パートナーとして塩野入が加わってくれる、という幸運に恵まれました。

とはいえ、弊所は「どの顧客よりもベンチャーでありDIY」(by 倉﨑)という言葉に象徴されるように、従来の法律事務所では考えられないくらい軽微なインフラで、(よく言えば)軽やかさと機動性を重視してやってきました。

手前味噌ながら、それはおそらく、この時代において(限定された範囲かもしれませんが)一定のニーズを捉え、一定の新しい価値の浸透に寄与できたのではないかなと自負しています(もちろん奇特なクライントとメンバー全員の活躍によるものです)。

しかし、弊所の体制の「軽やかさ」とは裏腹に、おかげさまで弊所がサポートできる案件の大きさや種類は多様になってきました。

既存の状況や価値に対する「カウンター」としての立ち位置が、 ひょんなことから世間から意外にも普通に(カウンターとしてではなく)正面から求められてしまうようなことも経験する機会が増えてきました。

そのような状況のなかで、開設から5年というこのタイミングで、シティライツ法律事務所を一度ぶっ壊し、新しいパートナーと、新しいチームで、新しい法律事務所を作ることに決めました。

そのパートナーとは、私と平林……そして伊藤雅浩です。

 

伊藤(と呼び捨てするのはまだ違和感もありますが笑)は、理系、アクセンチュア出身で、システム、ソフトウェア等のITや企業法務全般で活躍している弁護士です。

実は2年以上前に、とあるBarで一緒に飲んでいたときに、「いつかタイミングが合えば一緒にやる可能性はありますか?」と聞いたのですが、そのときは鼻で笑われてしまったんですよね(苦笑)。

それでも、その時のことを憶えててくれたみたいで、今回伊藤が所属事務所から独立するタイミングで声をかけてくれたのが、新事務所を立ち上げるきっかけになりました。(独立の話を聞いたBarがたまたま2年前に一緒に飲んだ同じBarだったという奇遇にもびっくりしました笑)。

上記のようなことを漠然と感じていた私は、弊所の存在を「カウンター」から「次のスタンダード」に飛躍させる機会として、この話を捉えたわけです。

 

とはいえ、「次のスタンダード」を志向するとしても、安易な大規模化を目指すわけではまったくありません。

AI、ビッグデータ、IoT、ビットコインブロックチェーン・分散台帳技術、ゲノム編集、量子コンピューターなどの目まぐるしく台頭する新技術を含むITやエンターテインメント分野に属する企業または個人をサポートする弁護士、そして法律事務所として無駄な規模は機動性を落とすだけである、というがメンバーの一致した意見です。

 

個性のある小さなチームで

常識を疑いながら

素早く

質の高い仕事をやって

クライアントの満足とともに

社会的なインパクトを生み出していく

自分たちもそれを大いに楽しむ

このチームの一員であることを誇れる

 

最近よく出す言葉ですが、これは新事務所のドメインを取得して最初にメンバー全員に送ったメールに書いたものです。

その分野に対する深い洞察とビジョンを前提とした、ハンズオンでスピーディーかつ良質なリーガルサービス。

次のリーガルサービスのスタンダードはそのようにあるべきではないでしょうか(すでにそうなってきていると思いますが)。

インフラという点では、従来パートタイムの秘書がいるのみでしたが、常勤のマネージメントとして深谷正憲が加わります。

法律事務所のバックエンドというと秘書や事務員という職能が慣例化していますが、ここにもそれらの存在を超えた「マネージャー(Office Manager)」という存在を定義し、新しい法律事務所の経営を模索したいと考えています。



ということで、伊藤、平林、水野、倉﨑、塩野入、深谷という6名で新しい法律事務所を立ち上げます。

事務所も南青山から千駄ヶ谷に移転します(建物名がこれまた奇遇にも「スカイハイツ」から「ニュースカイハイツ」になりました笑)。

事務所の名前は……「シティライツ法律事務所」です。

 

名前、変わってないやん!と突っ込みが入ったと思いますが、事務所の名前なんか、どうでもいいんです。

名前の変更も検討しましたが、新しい法律事務所名としてシティライツよりもよい名前が出てこなかっただけです。

名前や弁護士の格調みたいなものへのこだわりなど過去の遺物であり、だからこそ、私は伊藤・深谷の「参画」ではなく、新事務所の「立ち上げ」だという点にこだわっています。

 

新事務所のウェブサイトはこちら

www.citylights.law



ここで書いたことは、私から見えている景色であり、メンバーそれぞれ違う背景、意見、景色があると思います。

それでも、この時代に、このメンバーが、違う景色を見ながら、同じ事務所で、緩やかに同じ方向を向いて生きていく、という決断をしたことの不思議さに、私は感動してしまうのです。

うまくいくことばかりではないと思いますが、人生や物事にはさまざまなタイミングがあり、感性や能力などが合致する人と必ずしも一緒にやれるか、いられるかなんてわからないですよね。

この一度しかない航海を、このチームで挑める幸運を存分に味わい、楽しみたいと思います。

ということで、新しいシティライツ法律事務所にご期待ください!

(私たちと一緒に働いてみたい仲間も絶賛募集中です)

 

f:id:tasukumizuno:20171126200416j:plain

photo by Munemasa Takahashi